同じ衣類を3通りの方法で撮影すると、購入者の印象は全く変わります。コストと購入者心理から、どのスタイルがファッションECのコンバージョンを最大化するかを徹底比較します。
Tシャツの撮り方には3つの方法があります。台の上に平らに置く、ゴーストマネキンに着せて立体的な形を見せる、モデルに着てもらう、の3つです。それぞれ仕上がりも、購入者に働きかける心理も、制作費も、主要モールの規定への適合の仕方も異なります。選び方を間違えると見た目だけでなく、購入率や、そもそもAmazonに出品できるかどうかにも影響します。
平置き撮影
平置きは、最もシンプルで安価なアパレル撮影の方法です。白い紙、布、テーブルなどの平らな面に衣類を置き、真上から撮影します。モデルもマネキンも不要で、カメラと照明以外に特別な機材はいりません。
メリット
- 制作費が最も安い:モデル料もマネキンも不要で、清潔な平らな面以外にスタジオの準備もいりません。予算が限られたブランドでも、基本的な機材で社内撮影できます。
- 制作が速い:慣れた社内のフォトグラファーなら、1日に50〜100着の平置きを撮影できます。ゴーストマネキンやモデル撮影は、1着ごとの準備に時間がかかります。
- アクセサリーやたたんだ商品に向いている:ニット、スカーフ、帽子、靴下、たたんだデニムなどは、マネキンの立体的な形がそれほど関係ないため、平置きの方がきれいに見えることがよくあります。
- 一覧の見た目を揃えやすい:すべての画像が同じ平面に置かれ、同じサイズに簡単にトリミングできるため、統一感のあるカタログの一覧を作りやすくなります。
デメリット
- 形のしっかりした衣類では購入率が低い:ジャケット、形のしっかりしたワンピース、テーラードシャツは、テーブルに置くと平たく生気がなく見えます。フィット感やドレープなど、その衣類の魅力となる形が平置きでは伝わりません。業界の複数の調査で、形のしっかりした衣類の多くでは、平置きはゴーストマネキンやモデル着用より購入率が低いことが示されています。
- Amazonの衣類のメイン画像の規定に合わない:Amazonは、ほとんどの衣料品カテゴリーで、メイン画像をモデルかマネキンに着せた状態で見せるよう求めています。平置きはこの規定を満たさず、商品ページの表示制限の原因になります。
- シワや落ち感の問題:平置きをきれいに見せるには、丁寧なスタイリングが必要です。衣類は平らに置くと、着たときにはない形でシワが寄ったり、引きつれたり、たるんだりします。撮影時のスタイリングにかなりの時間をかけるか、編集で直す必要があります。
向いている用途:
アクセサリー(スカーフ、帽子、たたんだニット)、世界観がエディトリアルなスタイルに合うShopifyのライフスタイルブランド、まだAmazonに出品していないD2Cブランド、SNS用のコンテンツやルックブックの補足画像です。
ゴーストマネキン(インビジブルマネキン)
ゴーストマネキン(インビジブルマネキン、ネックジョイントとも呼ばれます)は、実物のマネキンに着せた衣類を複数の角度から撮影し、編集でマネキンをデジタルで取り除く手法です。見えない体が着ているかのように、衣類の形、落ち感、仕立てを見せる立体的な画像に仕上がります。
メリット
- モデルなしで衣類の形を見せられる:平置きに対する最大の利点は、モデルを雇い、スケジュールを調整し、撮影する費用をかけずに、衣類の立体的なボリュームと落ち感、つまり実際に着たときの見た目を表現できることです。
- Amazonのアパレルの規定に合う:ゴーストマネキンは、衣類のメイン画像をモデルかマネキンに着せた状態で見せるというAmazonの規定を満たします。モデル撮影の予算がないファッションブランドの標準的な手法です。
- 中立的な商品の見せ方:モデルがいないため、見る人の注意はすべて衣類に向きます。肌の色、体型、表情が購入者の自己イメージと合わない、ということがありません。これにより、さまざまな顧客層で購入率を高めやすくなります。
- 大量でも見た目が揃う:ゴーストマネキンの画像は、モデル着用の画像ではよくある、衣類ごとのポーズ、表情、体の向きのばらつきがなく、カタログ全体で見た目が揃います。
- 大量なら、モデル撮影より安い:マネキンと撮影の流れが整えば、1着あたりの撮影費はモデル撮影より安くなります。主な費用は編集で、標準的な衣類なら1枚$0.75からです。
デメリット
- 複数の角度からの撮影が必要:自然なゴーストマネキンの画像を作るには、各衣類の正面、背面、首まわり・襟の内側を撮影する必要があります。平置きより撮影時間がかかります。
- 編集の品質に左右される:ゴーストマネキンの画像の品質は、編集の品質で決まります。ネックジョイントのつなぎ目が見える、内側の色が合わない、照明がちぐはぐ、といった質の低いゴーストマネキンは、平置きよりも見栄えが悪くなります。良い仕上がりには腕のいい編集者が必要です。
- モデル着用ほど憧れを感じさせない:プレミアムなストリートウェア、ラグジュアリーファッション、アクティブウェアなど、ブランドへの憧れが購入を後押しするカテゴリーでは、ライフスタイル寄りのモデル着用の画像に比べて、ゴーストマネキンは事務的に感じられることがあります。
向いている用途:
Amazonで販売するファッションECブランド、統一感のあるカタログが必要な中価格帯のアパレルブランド、形のしっかりした衣類(シャツ、ジャケット、ワンピース、ニット)を扱うShopifyストア、モデル撮影の費用をかけずに衣類の仕立てやフィット感を見せたいブランドです。
モデル撮影
モデル撮影は、プロのモデルやブランドのスタッフなど、実際の人物に衣類を着てもらう方法です。アパレル撮影の中で最も費用と手間がかかりますが、うまくいけば購入率の上限が最も高い方法でもあります。
メリット
- 購入率の可能性が最も高い:憧れを誘うファッションやライフスタイルのカテゴリーでは、モデル着用の画像が平置きやゴーストマネキンを一貫して上回ります。実際の人が着ている姿を見ることで、ほかの方法では再現できないフィット感、バランス、スタイリングが伝わります。
- ブランドのストーリーを伝えられる:モデル着用の画像にはブランドの個性が宿ります。モデル、スタイリング、場所、照明が一体となって、ブランドが何者で、誰のためのものかを物語ります。これはゴーストマネキンや平置きにはできないことです。
- フィット感が大切なカテゴリーには欠かせない:水着、ランジェリー、アクティブウェア、体に沿うワンピースなど、ぴったりした衣類では、フィット感を正確に伝えられるのはモデル撮影だけです。水着のゴーストマネキンでは、購入者が自分に着たときの姿はわかりません。
デメリット
- 費用が最も高い:プロのモデルの1日撮影は、場所、モデルのランク、フォトグラファー、スタイリングによって$500〜$3,000以上かかります。カタログを撮影する場合、1着あたりではモデル撮影が最も高くつきます。
- 統一感を保ちにくい:新しいコレクションのたびに同じモデルのスケジュールを押さえるのは難しく、別のモデルを使うとカタログの見た目がばらつきます。ゴーストマネキンなら、この問題はそもそも起きません。
- Amazonのメイン画像の規定は条件付き:モデル着用の画像はアパレルのメイン画像としてAmazonの規定に合いますが、背景が純白で、小物を含まず、一部のカテゴリーではモデルがカメラ目線でないことが条件です。ライフスタイル寄りのモデル着用の画像の多くはメイン画像の規定を満たさず、サブ画像としてしか使えません。
向いている用途:
プレミアム・ラグジュアリーのファッションブランド、アクティブウェアと水着、ランジェリー、InstagramやShopifyのライフスタイルブランドなど、お客様と商品の関係が実用だけでなく憧れにもとづくブランドです。
どれが一番売れるのか?データから見る
すべてのカテゴリーに当てはまる答えはありません。調査で一致している見方は次のとおりです。
- モデル着用の購入率が最も高いのは、アクティブウェア、水着、ワンピース、アウターなど、憧れ、ライフスタイル、フィット感が重視されるカテゴリーです。
- ゴーストマネキンはモデル着用とほぼ同等の購入率になるのが、購入者が憧れよりも仕立てを見て判断する、形のしっかりしたベーシックアイテムや中価格帯のワークウェアです。
- 平置きは購入率が大きく下がるのが形のしっかりした衣類で、アクセサリーやニットでは十分な成果を上げます。
モデル撮影の予算がないブランドにとっては、ゴーストマネキンが正しい投資です。形のしっかりしたアパレルのほとんどのカテゴリーでは、ゴーストマネキンとモデル着用の購入率の差は、平置きとゴーストマネキンの差よりも小さいのです。
ほとんどのファッションブランドにとっての実践的な判断
Amazonで販売するなら:メイン画像はゴーストマネキンかモデル着用。平置きはサブ画像のみに使います。
ライフスタイルの世界観を持つShopifyのD2Cブランドなら:メインビジュアルはモデル着用、商品一覧の統一感には平置き、モデルでの撮影が現実的でないSKUのバリエーションにはゴーストマネキンを使います。
予算の限られたスタートアップなら:ゴーストマネキンは費用を抑えて規模を拡大できます。フォトグラファーに依頼して安価なマネキンで正面、背面、襟を撮影し、編集を1枚$0.75〜$1.50で外注しましょう。モデルの予算なしで、Amazonの規定に合い、購入率に最適化された画像が手に入ります。
ゴーストマネキン編集:費用と流れ
ゴーストマネキンの編集は、モデルなしでアパレル撮影の規模を広げる最も費用対効果の高い方法です。流れは次のとおりです。安価なマネキンで衣類を撮影し(正面、背面、襟・ネックライン)、未加工のファイルを編集チームに送れば、マネキンを取り除き、ネックジョイントを継ぎ目なく作り直した完成画像が届きます。
料金の目安:基本的なマネキンの除去は1枚$0.50〜$0.85です。形のしっかりしたジャケット、内側が見えるニット、内側のタグを合成する衣類など複雑なものは1枚$1.00〜$1.50。カラーグレーディングやデジタルアイロンを含むフルサービスの編集は1枚$1.50〜$2.00です。大量(1バッチ100枚以上)なら、1枚あたりの料金は通常15〜25%下がります。
BLACKFOX DIGITALは、ゴーストマネキンの編集を1枚$0.75から、24時間納品で提供しています。マネキンの除去、ネックジョイントの再構築、デジタルアイロンを1つの流れで処理するので、未加工の写真を送るだけで、ECですぐに使える完成ファイルが届きます。詳しくはEC写真編集サービスをご覧いただくか、まとめてご依頼いただく前に5枚を無料でお試しください。